木のQ&A

日本の森林面積はいくらあるの?

日本の国土面積3778万ヘクタールで、3分の2を占める2512万ヘクタールが森林で、日本は世界でも緑豊かな国土を持っているといえます。

[木]はどれぐらい生きるの?

あらゆる生物には寿命があり、生きるものは必ず死に至るとゆうのは通例です。人の寿命は年々長くなっていますが、それでも100年少々です。一方[木]においてはアメリカのセコイヤは樹齢5000年 ブリスル・コーン・パインは5000年以上、二ユージーランドのカウリーは4000年以上と推定されています。日本においては鹿児島の縄文杉樹齢7200年という説もあるが、中心部が空洞になっており、その内側から採取した資料の科学的計測値は2170年となっている。同じく紀元杉樹齢3000年は生き続けています。スギは5百年余りが平均的な寿命といわれています。

里山とはどんなところ?

くらしに必要な燃料に使うマキやタキギや田や畑にまく肥料を取るためや、食料として竹の子やクリやカキも植えた裏山、田や畑、ため池や用水路。山村や農村で、人の暮らしを支えた場所を里山とよんでいます。

森林浴はなぜいいの?

森林にいて、新緑を見ると目の疲れがとれたり気持ちが落ち着きます。それはフィトンチッドという物質が体によいといわれています。フィトンチッドは殺菌作用があり、その中のテルペンはスギ、ヒノキ、ヒバ、トドマツ、の中に含まれて癒し効果があります。

森林の役目はなに?

人類にとって空気(酸素)はなくてはならない大切なものです。植物は太陽の光をかりて、空気中の二酸化炭素と根から吸収した水を使って、自分で養分を作り、酸素をはきだします。このはたらきを光合成といい、森林の出す酸素を人類(生物)が吸い生きています。

木材は呼吸し湿気を吸うの?

夕立前のムッとした感じ、秋晴れの爽快感・・・これらの感覚に最も影響するのは、皮膚を通して感じる空気中の水蒸気の多少、つまり「湿気」です。
木は伐採してもそのまま生き続けています。木材は吸湿や放湿をすることにより、[木]を室内に施工した場合、室内空気の変動をコントロールするので、室内の空気が湿りすぎたり、乾きすぎたりするのを防ぐ。これが湿度を調整する[木材の調湿効果]です。

木はなぜ節があるの?

節は枝の痕跡です。枝が生きたまま、包み込まれたのが生節(いきぶし)です。枯れてから包み込まれたのが、死節(しにぶし)です。全く節の無い材は「無節」といい、最高級品として珍重され、小さな生節が少しある材は「上小節」といい、上等されますが、節があっても強度が劣るわけではありません。誰もが木に枝があるのは当たり前と知っているのに、建物の木材になると、無節に価値を求めることがおおい。「1等材」といわれる節のある安価な木材を、節も味わいと考えて、使ってみる事をお勧めします。

木の家は地震に強い?

木造の家は、鉄筋コンクリート造りの家より、地震に弱いと思われているようです。確かに阪神淡路大震災では、木造住宅が莫大な被害を受けました。しかしそれは、戦後建築された、木造住宅の数の多さと、施工不良(筋交いなどの施工不良)とメンテナンスが正しくなされていなかった為に、大切な個所が腐ったり、虫害のシロアリで土台部分がやられていたり、そもそも重さあたりの比較強度において、木材で作られた木材住宅は、その重量が鉄筋コンクリート造りの家より軽くなります。自身のエネルギーは建物の重さに比例して、重い建物ほど大きなエネルギーがかかってきますから、軽い木造の方が、地震力にうまく抵抗する事が出来ると言えます。地震力や台風時の風圧力に対し、しっかり考えられ、さらに長持ちする為の工夫がなされた家ならば、大きな地震でも簡単に壊れる事はありません。

木は燃えにくい?

木は燃えやすいと言われますが、太くて厚い木はそう簡単に燃えません。木が燃え始めて、表面が黒く焦げてきたところを炭化層と言います。この炭化層は熱を伝えにくく、酸素を運びにくくするので、燃える速度は弱まります。太い柱や梁ならば30分間火にさらされていても、表面から18mm程度焦げて、中身は残っているということです。又、5×10cmの木と鉄の梁を荷重をかけながら燃やす実験では、鉄は5分も経たないうちに強度が半分になるのに対して、木は10分経っても強度が80%を保っています。火事の被害では有毒ガスを吸って逃げ遅れるということが多く、これは内装材のプラスチックや化学繊維が燃えて、有害ガスが出るからです。それに比べて木は煙も少なく、一酸化炭素は出しますが、他の有害ガスはほとんど出しません。

木の家は腐りやすい?

[木]が腐るのは、‘空気’‘水’‘栄養’‘適した温度’のひとつがなくてもても腐りません。木を腐らせるのは腐朽菌で、キノコの仲間なのです。この腐朽菌も適当な温度と水分と酸素、その栄養分が木そのものなのです。木を使う場合、この栄養分を排除することはできません。又、酸素も温度もコントロールしにくいものですが、水分は比較的コントロールが簡単です。まず、水が染み込まない工夫と湿度の低い状態にする工夫が必要になります。そして、木にも腐りにくい木、腐りやすい木がありますから、地面に近い土台には腐りにくい木を使うなど、適材適所を守る事が大切です。又、年輪の中心部を心材(赤身)といい、外側を辺材(白太)といいます。辺材は栄養分を蓄える働きをする柔細胞が活動をしているため水分と養分が多く、心材は細胞が既に活動を終え、固定化しています。心材が辺材に比べて腐りにくく、虫が付きにくいのはこの為なのです。ですから、腐りにくい材種であっても心材を使う事が基本です。

木は伸び縮みをする?

山から取られたばかりの木は、たくさんの水分が含まれています。かつては、スギを伐採したあと、枝をつけたまま数ヶ月放置して、葉から水分を放出する “葉枯らし乾燥” を行い、材を運び出したり、実際に使うまで半年ぐらい寝かせて、自然乾燥をしてきました。このように木が使われるまで、たっぷりと時間をかけていた時代には、その時間の中で、木がゆっくりと乾燥をしてきました。葉枯らし乾燥を今もおこなっている産地もありますが、最近は木材を乾燥室に入れて、、人工乾燥する方法が多くなっています。木材はある一定以上の乾燥が進むと縮み、逆に水分を吸収すると伸びる傾向があります。よく乾燥して、水分が安定した木材ならば、反ったり、縮んだり、割れたりはしにくいものです。もし、乾燥が足りない木材で家を建ててしまうと、木材が乾燥するにつれて、縮みやわれを生ずる事がありますから、十分な注意が必要です。又、木には適切な伐採時期があることも知っておいてください。木は春から夏にかけて、水分や養分を根から吸い上げて、活発に成長をします。つまり、この時期の木は水分や養分が多く、カビや害虫に侵されやすいのです。木の活動が停止している秋から冬にとった木の方が木材に適していると言えます。

木は熱を伝えにくい?

木に触ると、ほんのり暖かいかんじがします。これは木材には熱を伝えにくいという性質があるからです。熱の伝えやすさを熱貫流率という数値で表しますが、同じ厚さの木材とコンクリートを比べると、コンクリートは木の5倍も熱を伝えやすいのです。又、木は熱を伝えにくい上、細胞はたくさんの空気を含んだ構造になっているので、急に熱くなったり、冷たくなったりしません。特に厚みのある木は断熱性も高くなります。厚板の床が気持ちがいいのはこのためということが出来ます。

木は鉄より強い?

木の断面を拡大すると、たくさんの細長い細胞が木の縦方向に壁を立てるような形でびっしりと並んでいる事がわかります。木が生きている間は、ここをパイプのようにして、栄養分や水分を運んでいたのですが、この構造こそが木材が横方向より縦方向の方が強いという理由です。縦方向の強度が横方向の3倍から20倍もあります。木と鉄の強度を比べてみると、スギの縦方向の引っ張り強さはcm2あたり900kgぐらいなのに対し、同じ断面積の鉄の棒では約5tになり、鉄はスギの5.5倍の強さがあることになります。しかし、スギは鉄に比べて格段に軽く、比重で比べれば、スギが0.38、鉄が7.8です。重さあたりの強度で比べてみれば、スギは鉄に比べて4倍近く強度があるのです。つまり、同じ強度の家を作ろうとすると、鉄骨造りやコンクリート造りの重さは木造の家に比べ、かなり重くなってしまい、確実にコストアップにつながると言えます。

木材は環境にやさしい?

一軒の家を建てるには、さまざまな材料が必要です。アルミニウムや鉄骨、木材などです。その材料を作るのに石油や電気が必要です。小さいエネルギーで物を作るのと、大きなエネルギーで物を作るのではどちらが無駄が少ないでしょうか。
材料がどれだけのエネルギーが必要か比較してみました。
アルミニウム:73000kcal/kg
プラスチック:22000kcal/kg
鉄  :7000kcal/kg
石膏ボード :2000kcal/kg
木材  :500 kcal/kg

日本の木材自給率は?

木材の需要量は年々増加傾向ですが、自給率は(自分の国でまかなっている割合)現在20%以下に落ち込んでいます。

[木]は地球温暖化なぜいいの?

地球温暖化の1つの防止策は二酸化炭素(CO2)の削減が求められています。
樹木は二酸化炭素を吸収し、木材内に炭素をためることができます。切った樹木も木材にして使えば、炭素を長くためておくことができるので、二酸化炭素固定装置と考えてもよいと思います。

[木]を切ると環境破壊になるの?

日本は3分の2を森林におおわれていますが、多くは外国の輸入木材にたよっているのが現状です。そのわけは、国産材単価が輸入材単価に押されて下降して、国産材を建築用材に使わなくなったため、森林が手入れされなくなり、荒れ放題となっているのが現状です。それと50年以上たった安定した森林の“極相林”が多くなりました。しかし、極相林は酸素を多く放出しない森林なので伐採し使用し、新しい酸素を多く放出する森林にかえるため、植林する必要がある。
日本は木の文化の国といわれるように自然の恵みをたくさん使い、建築物や食器および紙など身の回りの多くのものを森林から手に入れてきました。また、水を育み洪水や土砂崩れを防ぐ生活に大切な命を守る役目も森林は果たしています。